ブルトハウプ(bulthaup)キッチンの住環境
bulthaup Partner: b.brussels bvba
Photographer: Jens Mollenvanger

About bulthaup

design of living kitchen.

ブルトハウプのキッチン ー 暮らしを彩る、もうひとつのリビング

bulthaup(ブルトハウプ)社は1949年、Martin Bulthaup(マーティン・ブルトハウプ)がドイツで創業した家具工房に始まります。70年代、2代目のGerd Bulthaup(ゲルト・ブルトハウプ)がデザイナーのOtl Aicher(オトル・アイヒャー)を起用。二人は世界中のレストランの厨房や家庭のキッチンを見て研究し、クラシックスタイルのキッチンが一般的だった時代に、バウハウスの理念をベースにした機能美あふれるシンプルなキッチンを発表して注目を集めました。その後も、アイランド型の先駆けとなるキッチンなど画期的なシステムを発表し、業界を牽引してきました。

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ブルトハウプが目指すのは、50年経っても飽きないデザイン、100年後も愛されるキッチンです。ブルトハウプの哲学に基づくシンプルでタイムレスなデザインは、いつの時代にもマッチし、人間工学に基づいた合理的で機能的なサイズ感が、世代を問わず使いやすさを提供します。

キッチンは住空間の一部であり、その調和を追求することでブルトハウプのキッチンは完成します。できる限りノイズを排除したミニマルなデザインに息を吹き込むのは職人たちです。バウハウスの理念にも通じる「職人第一主義」は、創業以来大切に守られてきました。最終工程では人の手による丁寧な仕上げにより、ミニマルでありながら温かみと優しさが感じられます。ブルトハウプのマエストロ達はそんな思いで日々製品作りをしています。

ブルトハウプの機能性への妥協なきこだわりは、蝶番金具に至るまですべての製品を自社開発し、24時間365日稼働のテストルームで検査を行う姿勢にも表れています。多くのブランドが毎年新しいモデルを発表するなか、90年代に発表した「b1」「b2」「b3」の3つのモデルを大切にアップデートし続けることで、デザイン性、堅牢性、機能性のあらゆる面で比類ないレベルを保ち、業界のトップを走り続けています。

ブルトハウプが重視するのは、機能性と同時に、人々の暮らしとキッチンで育まれる時間に寄り添うことです。"design of living kitchen"をコンセプトに、これまで数々の革新的なキッチンシステムを発表してきた理由は、新しいライフスタイルのあり方から提案したかったからに他なりません。常に新しいキッチンのあり方を提示し、可能性を広げていくブランドなのです。

ブルトハウプ(bulthaup)キッチン 2024ミラノサローネ

建築と機能。統合的に考え抜かれたシステム

Architecture and
Functionality

ブルトハウプは、使う人のニーズや住空間の構造を理解し、生活をより快適にするための独自のキッチンシステムをデザインしています。人間工学に基づいた寸法や設計をキッチンに取り入れ、技術と機能がシームレスに統合することで、キッチンの可能性を広げます。これらのシステムは制約ではなく、洗練された自由な選択肢を提供し、キッチンそのものが建築の一部になることを実現します。

ブルトハウプ(bulthaup)キッチンのクラフトマンシップ
©︎ Heiji Shin

クラフトマンシップによる確かな完成度

Perfection comes from
craftsmanship

ブルトハウプにとって完璧なキッチンの追求は、デザインにはじまり、最後は熟練の職人の目と手の触感で成立します。ブルトハウプのキッチンはお客様に合わせて全てオーダーメイドで作られ、木材の扉材は自然の美しさを最大限に引き出すよう、木材の選定から職人が見極めます。塗装の扉材は、ブルトハウプのデザイナーが1,000色以上あるサンプルの中から6色を選んでご提供しています。ミニマルなデザインは、シンプルだからこそ全てにおいて高い精度が求められ、こだわり抜いた素材とそれを活かすための技術力があってこそです。長年の経験によって培われた人間の感覚と機械の正確さを組み合わせることで、唯一無二のキッチンが完成します。

ブルトハウプ(bulthaup)キッチン

技術とデザインの融合。終わりのない研究開発

Ongoing research and
development

ブルトハウプは、1950年代から合理的で機能的なキッチンづくりのための研究、開発に力を注いでいます。歴史を振り返ると、約30年のスパンでライフスタイルが変化し、その中心には常に「キッチンの在り方」がありました。ブルトハウプは、この「在り方」を提案し続けています。合理的な思考と機能美を追求したデザインのコンセプトのもと、現代の多様なライフスタイルの変化に対応しつつ、未来を見据えたキッチンをエンジニアとデザイナーが協力して開発し続けています。
ブルトハウプのキッチンは、20〜25年間、購入時と同じ精度で機能し続けられるよう設計されています。完璧な形はエンジニアリング段階で実現され、その後もメンテナンスをし続けながら長く使用できる仕組みが構築されています。

ブルトハウプ(bulthaup)キッチン

未来に向かって進化し続ける情熱

Evolving toward the future

キッチンとリビングスペースは、人々が集い、リラックスし、創造的な体験をする場所です。これを実現するためには、ニーズや習慣を最優先に考え、細部へのこだわりと本物の素材への愛情をもって製品を作ることが重要です。これがブルトハウプの考え方であり、行動の指針です。私たちは「キッチン」という概念が、現在と未来において人々のニーズを満たすかどうかを常に考え、その仕組みや発想を追求しています。伝統と過去の実績は、単に価値を守るだけでなく、常に進化し続けることを意味し、それは未来の要求のための進化なのです。

bulthaup Partner: Ligna recta bvba
Photographer: Jens Mollenvanger

Our History

ブルトハウプ(bulthaup)キッチン1969年発表システム Stil 75

1950 - 60s

キッチンサイドボードからシステムキッチンへ

1949年、Martin Bulthaup(マーティン・ブルトハウプ)がドイツに創業したbulthaup(ブルトハウプ)の事業は、キッチンサイドボードの製造から始まりました。新しく、モダンで効率的な家具のデザイン・製法を追求し、上質な素材と卓越した職人技を重視する姿勢は当初から変わりません。
50年代から60年代にかけて、ブルトハウプは工場の拡張、生産施設や設備への投資、スタッフの増員、ブランド戦略を導入し続け、創業初期からニッチマーケットを開拓することで目覚ましく成長していきます。

ブルトハウプ(bulthaup)キッチン1974年発表シリーズ コンセプト12

1969年、革新的でモダンな機能、洗練されたラインや形状、考え抜かれた装備を特徴とする独自のシステム「Stil 75」を発表。そして、1974年には、後に時代を牽引していくキッチンシリーズ「コンセプト12」を発表します。機能的で実用的なデザインと一貫して美しい装備、知的な設置・プランニングのコンセプトによって、ブルトハウプは業界全体から高い評価を受けることになりました。

ブルトハウプ(bulthaup)キッチン1984年発表システム b

1980s

料理とコミュニケーションを重視するキッチン設計

70年代後半には、2代目Gerd Bulthaup(ゲルト・ブルトハウプ)が、ブルトハウプの理念を確立します。彼は、キッチンの新しい使い方を考案し、「人々が集まりコミュニケーションを取ることができる生活空間、一流のキッチン」を作りたかったのです。そこで、デザイナーOtl Aicher(オトル・アイヒャー)を起用し、新しいキッチン文化の設計に先立ち、食文化への理解のため調査旅行を重ね、人々の生活や食事の習慣を研究します。キッチンデザインは機能と素材の本質に加え、料理とコミュニケーションを重視すべきだという結論に至ります。

ブルトハウプ(bulthaup) 1988年発表 キッチンワークベンチ

こうして1984年、従来の概念を覆すキッチン設計で、人間工学に基づき作業効率を重視した「system b」を発表。その後、88年に新しいキッチンスタイル「キッチンワークベンチ」を発表します。料理に欠かせない火と水の二元性に基づき、すべての重要なキッチン作業を一カ所で行えるよう設計した画期的なユニットでした。

ブルトハウプ(bulthaup)キッチン1992年発表 モジュールシステム「system 25」

1990 - 2000s

建築、バウハウス哲学、タイムレスなデザイン

80年代後半から築き始めた、建築、バウハウス哲学をベースにしたタイムレスなデザインが、これから先のキッチンのイメージを形成していきます。1992年に、モジュールシステム「system 25」を発表し、機能性と生活文化の統合を実現。このシステムは「キッチンを快適な生活空間にする」という概念の進歩的なデザインで、機能性と現代性、多様性を兼ね備えています。また、97年に登場した「system 20」では、さらに耐久性のあるモジュールシステムを導入。高品質な素材とミニマルなデザインにより、変化する生活空間に適応可能なタイムレスな価値とスタイルを提供します。

ブルトハウプ(bulthaup)キッチンb3
©︎ Stijn Vereeken

「b3」「b2」「b1」自由なキッチンシステム

2000年代に入ると、ブルトハウプは3つの新しいシステム「b3」「b2」「b1」を発表します。2004年に、初めて壁もキッチンの一部として取り入れた「b3」を発表。壁にユニットや家電、照明と言った機器を組み込めるマルチファンクションウォールシステムの登場です。キッチンの浮遊感と軽やかなデザイン、ほぼ無限のバリエーションの組み合わせにより、ニーズやアイデアに応じた自由なリビングデザインを実現。「b1」はシンプルで洗練されたデザインとクリーンな形状が特徴で、より個人のデザインの自由度を追求しています。壁面、収納、中央の調理台は、家族や友人との交流、コミュニケーションの中心として設計されています。

ブルトハウプ(bulthaup)キッチンキャビネットb Solitaire

2010s - Present

伝統に根ざした価値観の基に未来へ

2010年、創業者の孫 Marc O. Eckert(マーク・O・エッカート)が経営を引き継ぎました。未来を見据え、消費者行動の変化やデジタル化に対応するための開発プロセスを導入し、伝統と革新を両立させていきます。2012年、新たな「b3」を発表し、キッチンを固定配置から解放し、直感的なアプローチを可能にしました。引き出しの内部は、自在に配置、再編成、追加ができ、ユーザーの想像力と作業フローで自由にカスタマイズできます。2016年に登場した「 b Solitaire」は、3サイズのマットブラックのアルミフレームを基本に交換可能な天板や設備を組み合わせることで、現在と未来のニーズに対応します。さらに、「 b Solitaire」のアイデアは、家庭生活の中心であるダイニングテーブルや人々が密接に集まれるようベンチにも広がっていきました。